1990年代に入ると、携帯電話はアナログ方式からデジタル方式へと移行し、小型化と機能の拡充が進みました。1991年には、NTTから世界最小サイズの携帯電話「mova(ムーバ)」が発売されました。重量は約230gと、ショルダーフォンに比べ大幅に軽量化されました。また、折りたたみ式デザインも登場し、携帯性を高めました。movaは、当時としては画期的なデザインと機能性で人気を集め、携帯電話の普及に大きく貢献しました。
1993年には、PHS(Personal Handyphone System)と呼ばれる新しい方式の携帯電話サービスが開始されました。PHSは、従来の携帯電話よりも通信距離が短く、通話品質も劣っていましたが、小型軽量で安価だったため、爆発的に普及しました。PHSは、学生や女性を中心に人気を集め、携帯電話市場を大きく拡大しました。
また、この頃には、ポケベルに取って代わるように、携帯電話でメッセージのやり取りができる「ポケベル」も普及しました。ポケベルは、短いメッセージを送受信できるもので、当時は若者を中心に大人気となりました。