携帯電話は、私たちの生活様式を劇的に変化させた革新的な発明です。1980年代に登場した初期の携帯電話は、大型で重く、通話しかできませんでした。しかし、技術の進歩により、携帯電話は驚くべき速度で進化し、小型化、多機能化、そして情報社会への架け橋となるまでになりました。
1979年にサービスを開始した自動車電話は、車載用の大型電話機でしたが、持ち運びはできませんでした。1985年、NTTはショルダーフォンと呼ばれる携帯電話を発売しました。重量は約3kgと非常に重く、バッテリー持続時間も短かったですが、持ち運び可能な電話機として画期的な製品でした。当時の価格はなんと100万円以上で、一般消費者向けではなく、主にビジネスパーソンや富裕層が利用していました。
ショルダーフォンは、ショルダーバッグのように肩にかけて持ち運ぶことからその名が付けられました。電話機自体は大きく重かったですが、当時の技術としては画期的なものでした。ショルダーフォンは、移動中にも電話で連絡を取ることができるという利便性から、ビジネスシーンを中心に徐々に普及し始めました。
しかし、ショルダーフォンの高額な価格と重量は、一般消費者にとっては大きな壁となりました。また、通話機能以外には何もできず、バッテリー持続時間も短かったため、使い勝手もあまり良くありませんでした。